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ご挨拶

愛・忍耐・技術

かつて私は家庭奉仕員として
介護現場に出向いていました。
今から40年以上間も前のことです。
奉仕員はやがてホームヘルパー
という名称になりました。
高齢者という言葉も珍しく、
公的援助サービスも乏しかった当時、
自身の親の介護と格闘するなかで
必要性を痛感し、組織を立ち上げました。
援助を求めておられる方の夜中に
かかってくる緊急電話は
涙なしには聴くことができず、
お困りの方を前に自分自身も困り果て、
これという解決策もなく自宅に
連れて帰ったこともありました。
無我夢中の、そして失敗の多い
日々でしたが、新たな出会いには
思いもよらぬ感謝と感動があり、
明日への活力が湧いてきたものです。

「愛・忍耐・技術」の3つの理念には、
そんな実践体験のなかから
生まれた行動指針です。

聖書の逸話「善きサマリヤ人」に象徴される、どのような状況であれ、「お困りの方を助ける、そばに寄り添う」ことを、現実社会のなかで具体的に実践すべく、挑戦し続けることが、サマリヤの理念である「愛」です。職員から利用者さまへはもちろん、職員同士の信頼関係の構築も大切にしています。

忍耐

「忍耐」とは、どのような場面でも変わらない前向きな姿勢であり、責任感であり、優しさです。 介護現場のケアは、治療を目的とした医療現場とは違い、ただひたすらに寄り添い続けるという場面も少なくありません。 利用者さまおひとりお一人に丁寧に関わり、ニーズに答えていくなかで私たち職員が求められる、大切なもののひとつです。

技術

私たちが皆さまへ提供する価値は、介護のプロが提供する介護「技術」です。スタッフは、日々進化している新しいケアについても現状に甘んじることなく学び続けています。
専門職としての確かな技術は、もうひとつの理念である「愛」と両輪となって利用者さまとご家族の皆さまを支えます。

理事長からのご挨拶

人は誰であれ必ず老いて死を迎えます。
病や怪我はもちろん他にも様々な苦難があります。
その意味において援助する側、される側、という立場は一時的なものです。
人の尊厳を守るために私たちがなにかをなそうとすることは、自分自身の尊厳を守ることでもあります。

私たちの生かされているこの世界が限りなく優しいものとなりますように。

縁あって出会うことのできた、あるいはこれから出会う全ての方、利用者にみなさまはもちろん、職員および関係者のお一人おひとりに、心からの、深い感謝を込めて、ご挨拶とさせていただきます。


社会福祉法人サマリヤ 理事長 兼間道子

善きサマリヤ人のたとえ

「ある人がエルサレムからエリコに下って行く途中、強盗どもが彼を襲い、
その着物をはぎ取り、傷を負わせ、半殺しにしたまま、逃げ去った。
するとたまたま、ひとりの祭司がその道を下ってきたが、この人を見ると、
向こう側を通って行った。
ところが、あるサマリヤ人が旅をしてこの人のところを通りかかり、
彼見て気の毒に思い、近寄ってきてその傷にオリブ油とぶどう酒とを注いで、
ほうたいをしてやり、自分の家畜に乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。
翌日、デナリ二つを取り出して宿屋の主人に手渡し、
『この人を見てやってください。費用が余計にかかったら、帰りがけに、
わたしが支払います』と言った。この三人のうち、
だれが強盗に襲われた人の隣り人になったと思うか」。
彼が言った、「その人に慈悲深い行いをした人です」。そこでイエスは言われた、
「あなたも行って同じようにしなさい」。(ルカの福音書 10:30 - 37)